子うさぎと狼さんの恋物語。
ヴォルクは、また少女の笑顔を見たい、助けたい、という一心で、街に下りる登山道の方へ歩みを進めた。


少し進んで振り向くと、少女はまだ戸惑った表情をしていた。
その間にも雨脚は強くなり、ヴォルクはすっかりびしょ濡れになってしまった。


このままではやばいな。


ヴォルクは少女の元へかけよると、袖口を噛んで引っ張った。
少女はまだ戸惑っているようだったが、このままでは暗くなってさらに危険が増す。


早いうちに街まで下りないと…


ヴォルクは、少女に歩幅を合わせながらどんどん下っていった。
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