子うさぎと狼さんの恋物語。
「ただいま。」


狼の姿から戻ったヴォルクは、びしょ濡れのまま城へ入っていった。


使用人から心配の言葉とともにタオルを渡され、そのままお風呂へと向かった。


お風呂の中で考えるのはあの少女のこと。
今まで見たことない黒髪と黒い瞳は、他の国の者ということを示していた。


初めて、黒という色を綺麗だと感じた。


「またどこかで会えるだろうか…」


ヴォルクは、少女の笑顔を思い浮かべながら考えにふけった。
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