世界のまんなかで笑うキミへ
………おかしいな。
今日は、すごく楽しい一日だったはずなのに。
颯はずっと笑ってて、私はそれを描くことができて。
………楽しかった、はずなのにな。
*
翌日の朝は、憂鬱だった。
痛む頭を起こしてベッドから起き上がり、階段をおりる。
リビングに入ると、お母さんが朝食の準備をしながらこちらを向いた。
「おはよう、理央。昨日は早くから寝てたみたいだけど、大丈夫?朝ごはんは食べられる?」
食欲は湧かなかったけれど、夕飯を抜いたせいで胃は空っぽだったから、頷いて席についた。
お父さんは今朝は早くに家を出なければならなかったらしく、いなかった。妹はまだ寝ているみたいだ。中学はこの街にあるから、彼女はまだ寝ていても余裕がある。