世界のまんなかで笑うキミへ
あきらめない才能
週末、颯と電車に乗って大きな市民公園へ行った。
そこで売っているソフトクリームが食べたいだとか、バドミントンがしたいだとか、颯が色々と理由を主張して誘ってきたからだ。
私は颯を描けるならどこでもよかったし、木々などの緑を描くのも好きだったから、二つ返事で了解した。
その市民公園には私も小さい頃に何度か家族と行っていたから、特に身構えることなく行くことができた。
園内に入ると、大きな遊具たちが目に入った。子供たちが楽しそうに遊んでいる。
そこでは老若男女、様々な人が歩いていた。
「おー、広いなあ」
颯が園内を見渡して、感嘆の声を漏らす。
もはや見慣れたその反応に、私は少し眉を寄せた。
「もしかして颯……ここ来るの初めて?」
「え?ああ、うん」
「……………」
この県の子供なら、一度は行ったことがあるだろうと思っていたのは、私の勘違いだったようだ。
もしかすると颯は、小さい頃は別のところに住んでいたのかもしれない。
それから少し歩いて、遊具が遠くに見えるくらいの適当な場所に腰を下ろした。