世界のまんなかで笑うキミへ
ゆったりと雲が流れる晴れた青空の下、ぽーんぽーんとマイペースにシャトルが宙を舞う。
遊具の方からは子供たちの笑い声が聞こえ、建物の方からはイベントに関するアナウンスが聞こえてくる。
ピー………と、頭上で鳥が鳴いていた。
「首が痛い」
私が唐突に訴えて、シャトルの打ち合いは十分ほどで終わった。
颯はまだしたいと言っていたけれど、シャトルを見上げるために普段使わない首を酷使して、疲れた私が拒否した。
「理央、やっぱ運動不足なんじゃねーの」
「うるさい」
ふてくされた颯がイヤミを言ってくる。
そんなにバドミントンがしたかったなら、はじめから誘う相手を間違えているだろう。
何故運動不足だとわかりきっている私を誘ったんだ。文句を言われる筋合いはない。
「俺、飲みもん買ってくる」
「私オレンジジュース」
「パシリか!」
そう言いながら、彼は自販機の方へ歩いていった。どうやら買ってきてくれるらしい。お金はあとでちゃんと返すつもりだ。
颯がいなくなった空間で、ぼーっと景色を見回す。
どこのアングルにしようかな。
周りはほぼ緑でいっぱいだ。近くにベンチがあるくらい。
颯が戻ってから決めようかな。