世界のまんなかで笑うキミへ
「ずっとお聞きしたかったことを、聞いてもいいですか?」
「いいよ」
「先輩の作品は、平面と立体に限らず、それぞれ雰囲気とかも違いますよね。どうしてですか?」
今まで見てきた先輩の作品は、立体から平面まで様々で、それらもすべて雰囲気が違っていた。
まるで、すべて別の人がつくったものであるかのようにも見える。
だけど芯の、安定した強さと優しさは一貫していた。
彼の新しい作品を見る度、新鮮な気持ちになれて私は楽しかったけれど、改めて彼の作品たちを見てみると、とても不思議だ。
先輩はこちらを振り返らず、「そうだねえ」とのんびりした口調で話し始めた。
「僕の作品がみんな違ってしまうのは、自然のことだよ。意図的にやってるわけじゃない」
赤、青、緑、黄色。
壁に貼られた先輩の絵は、どれも基調としている色が違う。