世界のまんなかで笑うキミへ
目立たせるため、極端に濃くする必要はない。強い色を使って、迫力ある絵にする必要はない。
私は私らしく、やさしくて暖かみのある風景にしよう。
颯が好きだと言ってくれた、私の絵のように。
その中で、人に『来たい』と思ってもらえる工夫をしよう。
『伝えたかったこと』が明確にわかる前に比べたら、筆の進み具合は雲泥の差だ。
ずっと曇っていた視界が開けたような、とても良い気分。
けれど、目の前の絵に夢中になる一方で、私の頭の片隅ではひとつの違和感が占めていた。
なぜ私は、『ずっと伝えたかったこと』を忘れてしまっていたのだろう、と。
こんなに大切なことを忘れていた、自分が信じられない。
そして、それを思い出すきっかけをくれたのが、颯だったということも。