世界のまんなかで笑うキミへ



片付け終わって学校を出る頃には、午後七時になっていた。


いつもの流れで、そのまま一緒に歩き始める。


他愛ない話をしながら、駅までの道を歩いていた。


途中で颯が「河川敷に寄って帰ろう」なんて言いはじめて、私たちは大きな橋の下を通る川へ向かって歩き始めた。


河川敷にたどりつくと、颯はいつものように瞳を輝かせて、「おおーっ」と喜んだ。


「これが河川敷か!」

「……来たことないの?」

「ない!」


もう驚かないぞ、と思いながら、ある意味予想通りの答えを聞いて、私は苦笑いした。



「漫画とか映画ではさぁ、こーやって寝転んで、空見上げて……」



颯が草の上に足をつけて、勢いよく寝転ぶ。


その目が黒の夜空を見上げたとき、言葉は途中で止まった。




「………星が出てる…………」




颯の声を聞いて見上げると、白い光がぽつぽつと広がった夜空が見えた。




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