世界のまんなかで笑うキミへ
揺るぎない、大きなもの
あの裏庭の出来事があってから、橋倉くんを見かけてモヤモヤすることが増えた。
彼の周りはいつもきらきらしていて、私には眩しかった。
太陽の真下で笑っているような橋倉くんと、日陰でひっそりと絵を描いているような私。
あのとき、私の絵を見てあんな風に微笑んでくれた橋倉くんを思い出す度、心の中がモヤモヤした。
自分が、情けなく思えたからだ。
勝手に嫉妬して、橋倉くんは私のこと地味だと思ってるって心の中で決めつけて。
だけど彼は、まっすぐな目で私を見てきた。純粋な、やさしい気持ちで。
橋倉くんが人に好かれる理由を思い知らされたような気がして、苦しくなった。
彼と卑屈な自分を比べて、また落ち込んだ。
そんな憂鬱を振り払うように、あのときの絵に色を塗った。
ひらすら綺麗な色を重ねた。
瑞々しい青や黄色、緑。