世界のまんなかで笑うキミへ
すごいひとの近くには、やっぱりすごいひとが集まる。
そうやってたぶん、すごいひとたちの塊ができていく。
私には、そこがどんな集まりなのか、全くわからないけれど。
国を動かしてしまうようなひとたちの考えてることなんて、ちっとも想像できないけれど。
「……ハイ、じゃあここ、テスト出るからな。チェックしとけよー」
先生がそう言って、生徒たちが一斉に顔をしかめたとき、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
ざわざわと騒がしくなる教室。みんなが席を立って、気だるそうに伸びをしたり、うつ伏せたり。
私はそんな様子をぼうっと見つめてから、机の上の教科書たちを片付けはじめた。
そこでパッと目に映る、先程のノートの落書き。スケッチだなんて言えるような、そんなものじゃない。
つたなくて魅力のないそれを、もう一度眉を寄せてじっと見つめてから、私はパタンとノートを閉じた。