世界のまんなかで笑うキミへ


よく絵には人柄が現れるっていうけど、私はあまり信じていなかった。


だから自分を暗い人間だと思っていたけど……本当は違うのかもしれない。


そう考えると、嬉しかった。ほのかな喜びが胸の奥に滲んで、だけどその瞬間、あのとき言われた言葉たちが脳裏をよぎる。



『これじゃ、目立たないわよ』

『色が弱い。他に負けてる』

『ただ上手いだけじゃなあ…………』



心にずっしりと、重たいものが乗っかる。


さっきまで感じていた嬉しい気持ちまで押し潰されて、また暗い気持ちが私の中に広がった。



「…………あ、りがとう」



かろうじて彼にお礼を言う。


明るくならない私の表情を見て、颯は悲しそうな顔をした。



「………理央は、自分の絵、好き?」



好き……?


颯の問いに、すぐに答えは出せなかった。


好きなのだろうか。

私は、私の絵が。



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