世界のまんなかで笑うキミへ
まわる宇宙ときみの世界
「去年の秋にね、大きな展覧会があったんだ」
全国の高校生が、自慢の作品を発表しあう。
その県大会みたいなものだ。ここで良い評価をもらえれば、全国へ進める。
そこに私は、作品を出した。
通常より大きなパネルに、近所の古い駄菓子屋を描いた。やさしいおばあちゃんが切り盛りしていて、主なお客さんは地元の小学生たち。
私はそこが子供の頃から大好きで、今でもときどき足を運んでいる。
子供たちが楽しそうにお菓子を選ぶ横で、おばあちゃんが穏やかに微笑んでいる、そんな風景。
あらゆる駄菓子やおもちゃでごった返した店内を描きたくて、おばあちゃんに頼み込んだ。
おばあちゃんは快く許可してくれて、私は毎日のようにそこへ通って絵を描いた。