冷たい男
第二章「関係の終わり」
「先生の事、ずっと好きでした……っ!」
「それで何だ」
「えっと……その、」
「お前の相手してる暇ねぇからじゃあな」
「先生――…っ!!」
月曜日を迎えた。
いつものように授業を受け、いつものように風岡のマンションへと帰ろうと思った。
風岡との帰宅時間を合わせてる為、図書室で時間を潰し、風岡のワン切りで読んでた本を返して、本校舎の昇降口へと向かう。
しかし、図書室のある東校舎の1階では、告白が行われて居た。
誰が告白したかはわからない。
でも、風岡が相手だとはわかった。
階段を上がり、2階の渡り廊下から本校舎へと入った。
それにしても、噂では耳にしてたけど、告白しても本当に冷たいんだ。
それでも密かにモテる理由は何?
冷たい王子とか黒王子とか言われてるのに、何でみんな告白してるの?
私が言えた義理ではないかも知れない。
だけど、他人事として捉えるとそう考えてもおかしくはないだろう。
…何が良くて……。
わかってる。
本当は嫉妬だと言う事は。
私だって風岡が好きで今日まで来たんだ。
告白してた子の気持ちもわかるから、否定的な考えで誤魔化そうとするんだ。
この1年で、風岡は何か変わった?
お泊まりが許されただけ。
合鍵を渡されたわけでもない。
私物を隠して置くしか許されてない。
私も、土曜日に忘れ物しようか?
シュシュでも何でも良いから。
でも、そうすると私の事は突き放すんだろう。
風岡はそんな人だ。