冷たい男



身体の痛みに目が覚めると、おかしな光景が広がって居た。

何故、母親が?

しかも泣いて居る。

統李と将李も居るし、ここに居る筈のない風岡まで揃ってる。

明らかにここは病院。

私は何で身体が痛くて、みんなに見舞われてるのだろう。



「ドクター呼び戻しましょう!」



母親は滅多に走らないくせに走って病室を飛び出す。

私は睨むように見て来る風岡を見つめ返す。




「お前、記憶……;;」



「記憶?……あぁ。何でここに居るのかわからないんだけど」



統李が居るけど、何でか普通で良いような気がして素で将李に答えた。



「侑李?事故に遭っただろ?」



「私が事故に?お兄さん、お仕事は?」



「侑李は今、何歳だ?」



「18歳ですけど。何ですか、急にそんな質問して」



「足立さん、大丈夫ですか?」



統李を見ながら、私は首を傾げた。

母親が呼んで来たお医者さんまで謎。



「身体が痛いです」



「足立さん。この人は、君の彼氏だね?」



「な、何で知って……?あ、いや……別れたというか、何と言うか……;;」



手は握ってるけど、昨日終わった関係。

認めたくても、認めにくい。

風岡には、迷惑な話だろうし。
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