春、さくら、君を想うナミダ。[完]



仏壇の前でお母さんは正座をしていた。



お母さんの後ろ姿を見つめるあたしは、小さくため息をつく。



「お母さん」



あたしの声に振り返ったお母さんは、すぐにあたしから目をそらした。



ズキンと胸が痛む。



お母さんは、ろくに目も合わせようとしない。
< 14 / 309 >

この作品をシェア

pagetop