春、さくら、君を想うナミダ。[完]
彼と友達になれて、うれしかった。
けれど、相変わらずあたしは、クラスではひとりぼっちだった。
女子たちはみんな、似た者同士でグループになっていて、
いまさらどこのグループにも入ることができなかった。
嫌われている理由も、自分の内気な性格のせいなのか。
入学してすぐの頃に、彼がうちのクラスにやってきて、
下の名前であたしを呼んだあの日のことが原因なのか。
あたしにも、よくわからない。
けれど、クラスの中ではあたしの悪口が聞こえてくる。
“地味、暗い、ブス”
“嫌い、なんかムカつく”
あたしに聞こえないと思って言っているのか、
それともわざと聞こえるように言っているのか。
女子って、どうして誰かの悪口で盛り上がるのだろう。