メガネ男子と同居中
「ユキ、彼氏に振られたんだって」
「あ、だからか…」
放課後、HRが終わって人が少なくなった教室で優子と話す。
ユキがあんなに黒瀬に当たってたのはそう言うことだったか。
ユキはあの後、そのまま早退して家に帰ったらしい。
なんというか…黒瀬も飛んだとばっちりを食ったもんだ。
「…でも、黒瀬も謝ればよかったのにね。悪くなくても一応空気読みなって感じ」
優子までも黒瀬のことを悪く言う。
教室にまだ残ってる黒瀬に聞こえるように。
そりゃそーだ。
黒瀬が悪い。
黒瀬が悪い。
「本当だよねー。勉強だけしてると人の気持ちとか考えないんだろ〜ね〜」
私も悪口に参加する。
黒瀬はカバンをゆっくり肩にかけて、教室を後にした。
多分…聞こえてる。
っていうか聞こえる声で言った。
だって。
悪いのは黒瀬じゃん。