メガネ男子と同居中
「終わったーーー!!!!」
2日後、黒瀬からもらったプリントを自力で頑張って終わらせる。
私にしてはよく頑張った。
私は急いで黒瀬の部屋にプリントを持っていく。
コンコンッ
「黒瀬!黒瀬!全部できたよ!丸つけして!丸つけして!」
餌の欲しい犬みたいにはしゃいでそういう。
おやすみがもらえるんだもん!
ガチャ
黒瀬が出てくる。
「…水谷さんって、そうやって男に媚びてるんですね」
「はぁ?」
黒瀬は顔をそらしたままそう言っていたが、その顔がなんとなく少し赤く見えた。
なんだよ、別に媚びてないし。
バカ。
「期限ギリギリですね」
「う。黒瀬が2日って言ったんじゃない!でもちゃんとやったから!」
ドヤ顔でそう言う。
「全部間違ってたら休みはなしですよ」
「いいから、早く見てよ!」
黒瀬は「わかりました」と言ってから、赤ペンをもって、机で丸つけをする。
私は黒瀬のベッドに座って丸つけを待つ。
黒瀬の部屋はスッキリしてて、大人びた雰囲気。
さすがガリ勉くんの部屋にはゲーム機や漫画がない。
「人の部屋、キョロキョロ見ないでくれます?」
!!
プリントから目を離さずに黒瀬がそういうのでびっくりする。
「キョロキョロなんか…。ねぇ、黒瀬、エロ本とか持ってないの?今のところなさそうだけど」
冗談半分でそう聞く。
持ってないとか興味ないとか言うんだろうな。
「そんな、簡単に見つかる場所に置くわけないでしょう」
「へ?」
驚きの答えに戸惑う。
「なんですか、その顔。この間言いましたよ?僕も健全な…って」
ひっ!
私は少し黒瀬から距離をとる。
すると、黒瀬が机から立ち上がり、私の座るベッドに近づいてくる。
なになになになにー!!
「…ちょ、近い…」
「別に距離取ることないでしょ。水谷さん、こういうの慣れてるんだから」
「はぁ?慣れてなんか…!!!」
「よくできました」
「…へ、へ?」
黒瀬の突然の褒め言葉に動揺する。
「全て、平均55点です」
黒瀬はそう言って、プリントの束を私に渡す。
「うそ…」
50点も取ったの?!?!
「60点まではまだですが、これだけ取れれば1日くらいお休みしても問題ないでしょう」
「本当?!」
「はい」
「やったーー!!!」
「油断は禁物ですよ」
「わかってるよ〜〜」
「じゃあ、早く出てってください」
え。
切り替え早。
もう少し浸らせてよ。
私は黒瀬に言われるがまま、部屋を出る。
よし!
これで…マコトくんとデートできるぞー!!