雨と花
その日の夜から
あたしは同じ夢を3日に1回は見るようになった。


“寂しい夜
ひとり泣く日々
私に朝など来ない
雨は私そのものだ

私はあなたに降り注ぐ
あなたはいつも微笑み
私を光のようだと言ってくれた

いつもとなりにあなたがいた
気づかぬ間にもあなたがいた

私のすべてを差し出しても
あなた以上の人には会えないだろう”


夢の中のあたしは楽しそうに歌っていた。
まるで海の上を歩くように。
夢の中のあたしは自由に満ちていた。

あたしはこの夢を見るたび憂鬱な気分で目覚めた。
あまりにも楽しそうな夢の中の自分に苛立った。
と同時にあたしは夢のように雨になった。
そんなあたしの心を映すように
窓の外では、空が涙を流していた。
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