雨と花
危うく歌の世界にまた入ってしまいそうになった。
だから歌いたくなかったのに、、。
だめ、絶対に。
あたしは完全に歌うのが怖くなっていた。

あれ、、?
先生も日向先輩も止まっている、、。

「あの、もう行ってもいいですか?」

「きみ!、、」

あたしの声をかき消すように日向先輩が話始めた。

「すっごいうまい!歌やってたの?」

え、、

「あなたみたいな古風な歌声久々に聞いたわ!合唱部にはいったら?」

いや、、あの、、

「そうだよ!合唱部に入らない?」

「あたしは!、、」

今度はあたしがふたりの声をかき消した。

「水泳部なんです。
歌は二度とやるつもりありません。
すみません。失礼します。」

「ちょっと!、、」

日向先輩にひき止められそうになったけど
あたしは持ち前の運動神経で音楽室を去った。

教室へ行くと、夏帆が中野くんと話していた。
まるで恋人同士みたい。
お似合いの二人だとつくづく思った。

「海~!」

夏帆があたしに気づく。

「ごめん夏帆。待たせちゃって、、。」
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