スルーデザイア
タイトル未編集
僕は、レンタルビデオ屋の駐車場で、大きな溜め息をついた。
(次で最後にしよう……)
ー5時間前のこと。
会社で、僕が気になる女性が同僚と世間話をしていた。
「絶対おもしろいから!観てみて、『フォール シー』
かなりオススメだよ!!」
それが聞こえた僕は、会社帰りにレンタルビデオ屋に。
僕のことを少しだけ話すと、極度の緊張状態になると幻聴が聞こえる。
でも稀なこと。そんなことは滅多にない。
僕は、店の入り口に置いてある、自動検索機に、「フォール シー」と入力した。
検索結果はヒットしません、だった。
…おかしいな…もう一回、入力だ!
ヒットしません、再び表示される。
後ろに人がついた。僕は、一度マイカーに戻った。
タバコを吸って気分を落ち着かせる。
……もう一回だけ、検索してみよう
そう思い、車を出ると雪が降ってきた。
僕は、早足で店に入り、検索気の前に立った。
「『フォール シー』じゃない。『フォー シーズン』だ」
何処からともなく、そんな声が聞こえて言われた通りに入力した。
一件、ヒットしましたーと出て僕は、検索結果のレシートを出して、店内を歩き回る。
(おわり)