君に恋する5秒前
第二章
【席替え】
今日は席替えだ。けれど余り楽しみじゃない。
何故なら松坂くんとは違うクラスだからだ。
正直誰が隣になってもみんな同じだ。
「はい、くじ。」
後ろからくじの入った袋が回ってくる。
「あっありがとう。」
ガサガサ
特に意味はないけれど慎重に選ぶ。
一番前じゃありませんように。
カサリ
開いてみると窓際一番後ろの席。
「よっしゃ!」
一人でガッツポーズを決め、さっさと移動する事にした。
「日向慧さんだよね?よろしくー!!」
隣の席に座ったのはクラスの人気者、遠藤康太。
そうそう、いい忘れていたかもしれないが、
私の名前は日向慧。
「こちらこそ、よろしくね。」
適当に挨拶をし、また妄想にふける。
人気者だろうが松坂くんには遠く及ばない。
所詮その他なのだ。