理想は所詮理想でしょ!
荷物を持って二人で教室を出た。
放課後だったから他に誰も残ってなかったから二人で「あーいすっ、あーいすっ!」って言いながら。
「伊織は、あ〜いう恋がしたいの?」
あ〜いう恋とは、さっきの小説のことだろう。
「イエス、もちろん!先輩がいい!年上って憧れる…。って、引くなおい」
フンフン言いながら理想を言う私を美里が若干引き気味で苦笑いしていた。
「伊織は可愛いからすぐできるよ!」
「あなたに言われたかねえよ。このやろ!!!この、顔よこせ!!」
「いやーっ!あははは!やめてよ〜!ほら、アイス食べるんでしょ?いくよ!」
「あ、そうだった!」
美里のほっぺたをつまんでいた手を離した。靴を履いて玄関までダーッと走る私。
単純かよおい…って思っていた時
ドンっ
前から歩いてきた人にぶつかってしまった。
「ごっ、ごめんなさい!」
慌てて謝り相手を見ると
ぶつかったのは男の子だった。
「あ、あぁ、大丈夫ですよ。先輩は大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫!ご、ごめんね、