あ、あ、あ愛してる
一気に飲むと咳き込みそうで怖かった。

花音の手が俺の右手にそっと触れ、キュッと握りしめる。

「少し熱っぽい。調子悪いの?」

心細げに訊ねる。

数日前から食欲もない。

喉がつっかえた感じは日に日にひどくなっていて、少量ずつゆっくりでなければ、飲み込めなくなっていた。

大丈夫だと言おうとし、潤んだ瞳を見つめる。

全てを見透かされているのではないかと思うほど、真っ直ぐな目に圧倒され、ついコクリと頷いてしまった。

「喘息?」

聞かれて即答を躊躇う。

――喘息では……ない

自分の中で、もう疑うことのできない答えをどう表していいかが判らない。

ギュッと花音の手を握り返した。

「無理してる?」

訊ねる声が震えて涙声だ。

「いいいや、むむ無理は」

即答で言うが、花音の顔が曇る。
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