あ、あ、あ愛してる
午前の部が順々に進んでいく。
「か花音、あああありがとう」
出番の3つ前、和音くんは体を起こし、上着を畳んでリュックに入れた。
あたしの手にそっと触れ、ポンポンと軽く叩いて「大丈夫」をアピールする。
肩で息をつく和音くんの喉から喘鳴が聞こえる。
和音くんはリュックからペットボトルを取り出し、中味は飲まずに口を湿らせる。
「Alice?」
――和音くんは何かを隠している
胸騒ぎがした。
3つ前の学校の合唱が終わると、あたしたちは準備のため席を立ち、ロビーへ出た。
和音くんは平然としていたけれど、顔色が優れなかった。
ロビーから舞台の裏口に回り、整列し出番を待つ。
和音くんは舞台裏口の扉の下、数段のコンクリート階段に腰を下ろした。
「大丈夫?」
声をかけ、額に手を当てる。
解熱剤は飲んだと言っていたけれど、和音くんの額は火照っていた。
「か花音、あああありがとう」
出番の3つ前、和音くんは体を起こし、上着を畳んでリュックに入れた。
あたしの手にそっと触れ、ポンポンと軽く叩いて「大丈夫」をアピールする。
肩で息をつく和音くんの喉から喘鳴が聞こえる。
和音くんはリュックからペットボトルを取り出し、中味は飲まずに口を湿らせる。
「Alice?」
――和音くんは何かを隠している
胸騒ぎがした。
3つ前の学校の合唱が終わると、あたしたちは準備のため席を立ち、ロビーへ出た。
和音くんは平然としていたけれど、顔色が優れなかった。
ロビーから舞台の裏口に回り、整列し出番を待つ。
和音くんは舞台裏口の扉の下、数段のコンクリート階段に腰を下ろした。
「大丈夫?」
声をかけ、額に手を当てる。
解熱剤は飲んだと言っていたけれど、和音くんの額は火照っていた。