あ、あ、あ愛してる
「お前にはやることがあるだろ。関東大会でしっかり歌え。和音の思いも連れて行け」

あたしはただ頷いた。

蒼白い顔をした和音くんの姿が、いつまでも頭を離れなかった。

お昼を挟んで、午後の部の合唱が次々に歌われた。

あたしたちはそれをお通夜みたいに暗い気持ちで聞いた。

和音くんがどれだけ、あたしたちを暖かく包み込んでくれていたかを感じた。

関東大会に、和音くんはピアノ伴奏できないことを何となく感じ、拓斗の言った言葉を自分自身に言い聞かせた。

午後の部の合唱が全て終わり、審査結果。

審査員賞校、準優勝校の名前が順番に呼ばれた。

「県大会優勝校、聖奏学園大学附属高等学校」

名前を呼ばれた瞬間、あたしは心の中で叫んでいた。

――Alice、やったよ。関東大会進出。ありがとう


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