あ、あ、あ愛してる
「最優秀伴奏者賞。聖奏学園大学附属高等学校、有栖川和音」

コーラス部員も歓声を上げ、客席からも割れるような歓声と拍手が起こった。

部長に促され、あたしは和音くんの代わりに賞状と盾を受け取った。

横浜に帰る電車の中、あたしのスマホに和音くんのスマホからメールが届いた。

TO:花音
subject:拓斗
本文:和音のスマホ拝借してメール。和音、気がついたから。検査のため、しばらく入院になった。喘息ではないらしい。詳しいことがわかったら連絡する

あたしは「わかった、ありがとう」とだけ、返信した。

心配と不安で胸が押し潰されそうだった。

何故そんな体調でと思うと、気づいてあげられなかったことが情けなかった。

メール画面を見つめたままでいると、仁科副部長がメールを覗きこんできた。


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