あ、あ、あ愛してる
歌えなくなる!?
倒れた後の数日は検査続きだった。

呼吸困難と胸痛と倦怠感で、酸素吸入に点滴、鼻からは気管挿入され寝たきり状態、上半身を起こすのも億劫だった。

幾つもの検査の末に告げられたのは「肺気胸」と「特発性喉頭運動(とくはつせいこうとううんどう)麻痺」という聞いたこともない病名だった。

肺気胸は胸腔内で気体が肺を圧迫し、肺が外気を取り込めなくなった状態で、呼吸をしても大きく息が吸えない、激しい運動をすると呼吸ができなくなるなどの呼吸困難、酸素低下、頻脈、動悸、咳など起こる病気で、喘息と勘違いされる場合もあるらしい。

10日以上も胸の違和感や息苦しさや倦怠感と戦っていた俺の肺気胸は、重症で胸腔に漏れ出した空気が肺や心臓を圧迫して血圧低下、ショックを来たし倒れたのだろうということだった。
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