あ、あ、あ愛してる
医師は6ヶ月様子を観て麻痺が改善しなければ、治る見込みはないと判断し、喉頭運動麻痺の治療に呼吸を改善させるため外切開で片側の声帯を外転させるか、喉頭顕微鏡下レーザー手術で片側の声帯の一部や声門後部を大きく開放させる手術をすると、呑気に答えた。

6ヶ月も声も言葉もほとんど出ない状態で、呼吸困難に耐え、嚥下障害に悩まされながら過ごすのかと思うと、不安で堪らなかった。

希望の欠片も見いだせない。

その間、当然ながらLIBERTEも活動休止になるのはさすがに我慢ならない。

そればかりか、医師は手術をしても元の声が取り戻せるかどうかは保障できないと告げた。

ふざけるなよと叫ぶが、思うように声も言葉も出ず、空気だけが虚しく漏れた。

俺のハッキリした病状がマスコミに発表されないまま、呼吸困難が激しくなり、喉の炎症で気道が塞がれ、俺は肺気胸の手術を受け、さらには呼吸確保のため気管切開した。


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