あ、あ、あ愛してる
全国大会前々日、夕刻。
リハビリで散々に疲労し、自己嫌悪に陥り這うように病室に戻った。
気分転換に、譜面に向かったが曲も詩も浮かばず苛立ち、ベッドに備えつけた卓に広げた文具を片っ端から払い落としノートを投げつけた。
タイミング悪く、病室を訪ねた花音が俺の投げつけたノートを顔面すれすれで受け止めた。
「Alice!?」
驚きを通り越し、震えと怖さで歪んだ花音の顔がみるみる泣き顔に変わった。
――かかか花音
空気音が喉から漏れた。
花音は俺に駆け寄り、いきなり俺の体を抱きしめた。
「関東大会で歌っている時、Aliceの声が聞こえたよ。がんばれ。花音、がんばれって」
首筋に冷たいものが伝う。
「あたしたち、Aliceのメールがなかったら、あそこまで歌えなかった。Aliceと全国大会に行きたい。Aliceにあたしたちの歌を聞いてほしい。本気で思ったから歌えたんだ」
リハビリで散々に疲労し、自己嫌悪に陥り這うように病室に戻った。
気分転換に、譜面に向かったが曲も詩も浮かばず苛立ち、ベッドに備えつけた卓に広げた文具を片っ端から払い落としノートを投げつけた。
タイミング悪く、病室を訪ねた花音が俺の投げつけたノートを顔面すれすれで受け止めた。
「Alice!?」
驚きを通り越し、震えと怖さで歪んだ花音の顔がみるみる泣き顔に変わった。
――かかか花音
空気音が喉から漏れた。
花音は俺に駆け寄り、いきなり俺の体を抱きしめた。
「関東大会で歌っている時、Aliceの声が聞こえたよ。がんばれ。花音、がんばれって」
首筋に冷たいものが伝う。
「あたしたち、Aliceのメールがなかったら、あそこまで歌えなかった。Aliceと全国大会に行きたい。Aliceにあたしたちの歌を聞いてほしい。本気で思ったから歌えたんだ」