あ、あ、あ愛してる
「Alice! あたし、Aliceにいっぱい元気をもらったよ。今度はあたしが……」

涙声の花音が言葉を詰まらせる。

瞳に溜まっていた涙が頬を伝っていく。

「全国大会のトロフィーが見たいって、Aliceが言ったんだよ」

花音は嗚咽しながら、俺の目をじっと睨んでいる。

「目標は高いほうがいい。全国大会を目指せって言ったのも、Aliceでしょっ。そのAliceが落ちこんで泣きそうにしてるなんて! 有栖川和音は、LIBERTEの綿貫和音は、そんなに弱い人だったの? 頑張る前に諦めてる、そんな意気地なしだったの!」

目を真っ赤にし、頬に伝う涙を拭いもせずに俺を詰る。

『歌いたい、俺だって歌いたいんだ。どんな声でもいい。声が出さえすれば歌いたいんだ』

俺は手話で訴える。


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