あ、あ、あ愛してる
「俺も奏汰もお前のこと、歌を作って歌うだけなんて思ってない。こいつが言ったように、お前が居なきゃバンドはやっていけない」

拓斗は淡々と俺を諭す。


「お前以外のヤツとは演奏しない、いや出来ねえから。お前が歌作って歌うから、『LIBERTE』だから」

拓斗の言葉で胸が詰まる。


「和音、自信持て。お前にできないことは、俺らがフォローしてやる」

拓斗の言葉に頷きながら、涙が溢れた。

救護室の前。

拓斗は出迎えた女医と看護師に、花音を委ね座りこんだ。


「あいつ、重もてぇ」

息を切らし、喉をゼイゼイ鳴らした。


「炎天下に着ぐるみ着たままライブ観んじゃねえ」

拓斗は閉まったドアに向かって怒鳴った。

奏汰と共に救護室に駆けつけた園の職員は、平謝りする。


「着ぐるみのバイトがご迷惑をおかけして、すみません」

半泣きで何度も「すみません」を繰り返した。

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