あ、あ、あ愛してる
初見で演奏できるヴァイオリ二ストという無理難題を出したのは、マネジャーだったのかと、ヴァイオリ二ストの弟は余程の弾き手なのだろうと思う。

病み上がりで体力もなく練習不足で指の動きもイマイチだ。

超難曲を指定され、正直に言えば自信はない。

が、弾けない理由にはならない。

学長がドヤ顔でエマたちと向かい合っている。

エマ、マネジャー、コンサートスタッフ、アメリカ大使館広報・文化交流部担当オフィサーが雁首揃えて、俺の実力を吟味している。

演奏するしかない、全力を出し切るしかない。

まな板の鯉状態なのが癪に触るが、ひたすら弾いた。

「Michael, what is his ability? I wonder pass?」

「Impeccable. No, but more than imagination. I guess Tony is cool the liver.」

演奏しながらマネジャーの表情を窺う。

「Ok, it passes. I play list and the music of today.」



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