あ、あ、あ愛してる
急ぎケアを済ませ、喉にスカーフを巻きメモ用紙にペンを走らせ、ありのままを伝えた。

マネジャーは考える仕草をし、うーんと唸り「治療とリハビリ、ボイストレーニングを兼ねて、留学を考えてみないか?」

いきなりの「留学」という言葉が飲み込めない。

「LIBERTEは半年間、活動休止と聞いているが半年で活動再開できる可能性は厳しいんだろ?」

訛りの強い英語で痛い所を突かれ、ぐうの音も出ない。

「本腰を入れて治療とリハビリ、ボイストレーニングをする気があるなら、休止期間を延長し、ニューヨークに来い」

黙って聞いていると、さらに続ける。

「トニーの代役にヴァイオリ二ストを起用したことと、謝罪文を公式発表した。コンサートはじきに話題になる。コンサートの結果しだいで、君の評価も上がるだろう」

多大な評価をされたものだと、唖然とする。
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