あ、あ、あ愛してる
「16歳、高校生だな。プレカレッジのオーディション資格はある。ハードルはかなり高いが、君のレベルなら問題はないだろう。じっくり考えるといい。日本公演の全日程終了後に、返事を」

マネジャーはフッと笑い「今日はよろしくな」と俺の右手を握りしめた。

責任がずしり重たく、肩にのし掛かる。

「開演まで間がある。楽譜に目を通すなり、息抜きをするなり好きに過ごせ。デュオのブログを観るなら、『Soleil』を検索すれば出てくるはずだ」

マネジャーは俺がメモ用紙を取り出そうとすると、俺の肩をポンと叩き、穏やかに微笑んだ。

控え室で「Soleil」ホームページを観る。

フォロワー数が俺たち「LIBERTE」のホームページとは桁が違っていた。

2桁も差がある。

ブログにはトニーの横浜公演の謝罪とヴァイオリ二ストの代役が綴られていた。

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