あ、あ、あ愛してる
留学の日が刻一刻と近づいて、花音と音信不通のまま留学したくないと思った。

俺は仁科に花音と連絡が取れないことを伝え、何とか連絡を取りたいと相談した。

「小日向……あのバカ――何で!?最近元気がないと思ったら、そんなことしてたんだ」

仁科の言葉に胸が痛かった。

「LIBERTEのボーカル和音ではないAliceはいらない」と言われたことを伝える。

「本心ではないことくらい解ってるはずだ」

仁科は声を荒げた。

――花音と音信不通のまま留学したくない

「わかった、話をしてみる」

仁科に話して数日後の昼休み、仁科は首を振り「小日向、頑固で説得できなかった」と残念そうに言った。

――そう……仁科、花音は部活には来るんだろ?

「毎日ちゃんと来てるけど、何をするつもりだ?」

――練習室の鍵開けて

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