あ、あ、あ愛してる
俺は一礼しチョークを取り、黒板に「体調不良なので早退します」と書き入れた。
教師はわかったと頷き、授業を再開する。
帰り支度をし鞄とヴァイオリンケースを抱え、教室を出る。
「えーっ有栖川、また早退。もしかして、さっきのパニックで過呼吸が原因?」
「ホント、体弱いわよね」
ざわつく教室の様子を尻目に早退する快感は、何度体験しても飽きない。
エントランスホールを抜け、下足室へ向かう廊下。
右は普通科、左が音楽科に分かれている。
両手で数本の筒を抱え、普通科の制服を着た女の子が早歩きで向かってくる。
俺はすれ違いざま顔を確認し、立ち止まった。
「か、か花音!?」
声を上げた俺を丸い大きな目が見上げている。
「あっ――――ウサギのストラップ」
革製のヴァイオリンケースには不釣り合いなウサギのストラップは、先日の遊園地ライブの日に花音がメモを添え、机上に置いていたものだ。
教師はわかったと頷き、授業を再開する。
帰り支度をし鞄とヴァイオリンケースを抱え、教室を出る。
「えーっ有栖川、また早退。もしかして、さっきのパニックで過呼吸が原因?」
「ホント、体弱いわよね」
ざわつく教室の様子を尻目に早退する快感は、何度体験しても飽きない。
エントランスホールを抜け、下足室へ向かう廊下。
右は普通科、左が音楽科に分かれている。
両手で数本の筒を抱え、普通科の制服を着た女の子が早歩きで向かってくる。
俺はすれ違いざま顔を確認し、立ち止まった。
「か、か花音!?」
声を上げた俺を丸い大きな目が見上げている。
「あっ――――ウサギのストラップ」
革製のヴァイオリンケースには不釣り合いなウサギのストラップは、先日の遊園地ライブの日に花音がメモを添え、机上に置いていたものだ。