あ、あ、あ愛してる
何の感情も感じられない返信メールだった。
絵文字も感嘆符も何もない。
落ち着きを失い、焦りと不安でいっぱいになったあたしの心に、短い文が冷静になれと言っているように思えた。
あたしは和音くんに「わかった、ありがとう」と返信し、仁科副部長に「15分したらロビーに来れるそうです」と伝える。
「15分……練習しよう。黙って待っていると不安になる」
仁科副部長は部員を見回し、ロビーの外に出た。
雨上がりの湿った空気が体を包む。
あたしたちは急いでパートごとに整列し、部長の指揮に合わせ不安を抱えたまま、歌った。
伴奏がないと、こんなにも纏まらないのかと思う。
バラバラなハーモニーは不安を更に広げていく。
――和音くん、助けて
あたしは心の中で和音くんの名前を呼び続けた。
15分はとても長く感じられた。
「か、か、か花音」
絵文字も感嘆符も何もない。
落ち着きを失い、焦りと不安でいっぱいになったあたしの心に、短い文が冷静になれと言っているように思えた。
あたしは和音くんに「わかった、ありがとう」と返信し、仁科副部長に「15分したらロビーに来れるそうです」と伝える。
「15分……練習しよう。黙って待っていると不安になる」
仁科副部長は部員を見回し、ロビーの外に出た。
雨上がりの湿った空気が体を包む。
あたしたちは急いでパートごとに整列し、部長の指揮に合わせ不安を抱えたまま、歌った。
伴奏がないと、こんなにも纏まらないのかと思う。
バラバラなハーモニーは不安を更に広げていく。
――和音くん、助けて
あたしは心の中で和音くんの名前を呼び続けた。
15分はとても長く感じられた。
「か、か、か花音」