あ、あ、あ愛してる
事務所ビルが間近になると、ビルの前にマイクや機材を抱えた集団が見えた。

拓斗は裏口から駐車場に入り、俺たちは事務所の荷物用エレベーターで移動した。

マネジャーが手帳を開き、俺にスケジュール変更を話そうとする。


「わわ解ってる」


「ぶっつけ本番、何を聞かれるか……学校や有栖川グループの事にも触れるかもしれないが」

マネジャーは困り果てたと言わんばかりにため息を吐く。


「つつ都合……わーわ悪いこ事ははは話さーなないよ」

俺は拳で何度も股関節を叩き、言葉を絞り出す。


「和音、痣になるぞ」

奏汰が俺の腕を掴む。


「過呼吸が起きそうになったら咳払いしろ」

俺はマネジャーの言葉に頷き、ゴクリ生唾を飲み込む。

18時きっかり、事務所内の会議室に入った。

フラッシュを焚く音とざわめきに、膝がガクガクと震えた。
< 87 / 209 >

この作品をシェア

pagetop