あ、あ、あ愛してる
目標は高く
和音くんはコーラス部の早朝練習に顔を出し、パートごとに録音したCDを部長に手渡した。
「えっ、ワザワザ?」
『関東、いや全国大会行くんだろ』
「本気で言ってるの、全国大会?」
『宣言したと聞いてるけど。長がしっかりしなきゃ下は動けない』
和音くんは部長を見下ろし、険しい顔をした。
そして、あたしと愛美にツカツカと近づきメモ用紙を取り出しペンを走らせた。
恐いくらい真剣な表情だった。
スッと差し出されたメモを読む。
――他のメンバーには言えない。花音と尾崎だけの胸に留めておいて。尾崎、ピアノ伴奏しっかり仕上げておくようにな。俺、喘息とパニック発作がいつ起きるかわからないし、不安なんだ。保険かけといていい、棄権するのはいやだろ?
「あの……体調悪いんですか」
愛美が不安そうな顔で、内緒声で訊ねる。
「えっ、ワザワザ?」
『関東、いや全国大会行くんだろ』
「本気で言ってるの、全国大会?」
『宣言したと聞いてるけど。長がしっかりしなきゃ下は動けない』
和音くんは部長を見下ろし、険しい顔をした。
そして、あたしと愛美にツカツカと近づきメモ用紙を取り出しペンを走らせた。
恐いくらい真剣な表情だった。
スッと差し出されたメモを読む。
――他のメンバーには言えない。花音と尾崎だけの胸に留めておいて。尾崎、ピアノ伴奏しっかり仕上げておくようにな。俺、喘息とパニック発作がいつ起きるかわからないし、不安なんだ。保険かけといていい、棄権するのはいやだろ?
「あの……体調悪いんですか」
愛美が不安そうな顔で、内緒声で訊ねる。