真夜中のアリス
<<早く、消えてしまえばいい>>
<<貴方なんて、誰も必要となどしていない>>
<<彼も貴方が嫌いだから…、貴方を置いていったのよ>>
<<どうして気付かない?>>
<<皆、みんな、貴方なんて大嫌いなのに>>
<<何もかも 全部 貴方が 悪いのに>>
心の何処かでずっとずっと思っていたもの。
「…っ!!」
言葉から逃れたくて思わず、駆け出す。
走っても走っても。逃れられる筈がないのに。
景色もいつの間にか変化を遂げてしまったのか、見知った街並みだった筈が今はウサギと語り合ったあの闇よりも暗い森と同じ、只の暗闇に化していた。
何も、何もない。
道無き道を只がむしゃらに走り抜けるだけ。
入る際にウサギが言っていた注意事項の存在も今は記憶から蚊帳の外。
闇に取り憑かれた。
まさにその言葉通りだ。