真夜中のアリス
「すぐ…帰ってくる言ったのに…。ウサギの…嘘つき…」
責任転嫁だ。けれど涙が止まらない。
ウサギの帰りを待たず、約束も守らず走り去ったのはあたしの方だというのに。
がむしゃらに走って走り続けてさ迷い続ける。
思考がまとまらない、どうしたいのかどうすべきなのか自分では答えが出せない。耳を塞いでも鳴り響く悪意の声。いくら走ってもそれは消えることがない。永遠に続くように思えるこの悪夢のような出来事。涙ばかりが溢れて視界がボヤけ更に恐怖と絶望が襲い掛かる。
怖い怖い怖い 独りがどうしようもないくらい怖い。