真夜中のアリス

「ちょっ、ちょっと待ってお姉さん…!」

「オーナーも貴女が来るのを身体を長くしてお待ちしているの!あ、ここよ!」

無理やり連れてこられたのは入り口からかなり奥へ入り込んだ一際大き目な部屋。広間と雰囲気が代わり、どんよりとしていてやけに湿気を感じられる。ドアノブには「Room of a caterpillar」と緑色の字で書かれていた。

「オーナー!来客です!例の女の子ですよ!」

バニーガールのお姉さんがノックをして呼びかける。するとすぐ重々しい扉が開き、中へ促される。背を押され嫌々ながらも一歩を踏み出す。

大理石の床とテーブルにはシャンパンとグラス、そして沢山の果物。頭上には光輝くシャンデリア。ワインレッドをしたふかふかでいて人一人寝転がったところで問題が無さそうなソファがあった。

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