真夜中のアリス

護るように女王を自身の背後に隠し、大声を出すことで自身を鼓舞し腰に宛がっていたサーベルをおもむろに取り出し勇敢にも不審者に立ち向かう。
が、心なしか両足の震えは徐々に大きく波打っている。

「って!ちょっとエースさん!?めっちゃ足震えてるんですけど!
なんなのこの人!?本気で頼りになんないんだけど!!この役立たず!首ちょんぎりますよ!?」

「ふ、震えてなんかないやい!そ、そこにいるのは誰だ!顔を見せろ…!!」

恐る恐る近づいてみる。
サーベルの先をちょんちょんとそれに当てがってみれば、そんな姿に既視感を感じた二人。
ぴょこっと拡げられたそれに目を丸くして口を開く。
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