真夜中のアリス

「…イタタタ…。勢い余って飛び込んじゃった…」

「ちょ…!ウサギさんじゃん!」

そう。神聖なる白亜の城に無礼にも飛び込んできたのは、アリスもとい瑠衣と共にしていたあの黒ウサギ。
服装の乱れを調えることを第2として、優先的に女王に献上すべき物品を丁寧に取り出す。

「ちょっとウサギさんー!一体どこでなにやってたの!?女王さまカンカンだよ!?」

「あ。エースくんじゃない。ただいまー。
向けられたままじゃ怖いから、とりあえずサーベルを仕舞って貰ってもいいかな?」

「あ、ああ!気付かずとは言え、ウサギさんに何てことを!すみません」

落ち着いた行動と笑みを見せながらウサギは語る。そんな姿を見ながらエースはまたも困ったように笑いながらゆっくりと言われるままにサーベルを元の位置へと収める。

「女王さま!隊長さま!如何されましたか!」
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