真夜中のアリス
「そんな…。彼にどう説明すれば…。」
へなへなとその場に座り込むウサギ。先程の威勢はもうどこにもありはしなかった。
「…まあ、女王さまをまた怒らせるのもあれだから…。とりあえず薔薇園に行きましょう。
彼も薔薇がお好きだったと聞いてますし、少しは落ち着くかも」
立ち上がり、閉ざされたままだった扉が開かれた。エースの後を追うように、意気消沈したウサギもとぼとぼと歩き出す。ぴんと張っていた耳は降下したまま。