真夜中のアリス

「…っあれ?なんだろう。なんか凄く悲し…
う、うぅ…うええん!!」

溢れ出した涙は留まる事を知らない。
身体が大きくなったと比例して、涙も大粒の雨粒みたいにあたしの半径数メートルは降り注ぐ。

「ひっく…ひっく…、うわあん…!」

子どものように泣き喚き、足をバタバタと動かせばそれは大きな穴を造り、涙もその穴に溜まり、直ぐ様涙の池は完成を見せる。
大きな物音に大きな涙は、眠りについていたウサギを驚愕させて、更に身体も濡らして逃げ惑うことを許さない。

止まらない涙の雨。
自分でも止めようにないのだからどうしたらいいのかわからない。

「うわあん!!」

橙色の空の下。空から溢れるのは、大粒の涙雨。
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