真夜中のアリス

「…っ、あ、あすかくん…。
ずっと頑張ってきたけど…もうあたし頑張られないよ。もう疲れちゃった。会いにいってもいいよね…」

答えはないけれど。きっと彼なら…ごめんねって言って何時ものように壊れ物に触れるような優しさで抱き止めてくれるはず。
そんな気がして、飛び込もうと身体をバランスを崩す。その一瞬の隙に聞こえた、風のように、けれど囁きに似た声。



“見つけた…!僕の…アリス!!"



「えっ!?」
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