真夜中のアリス

もうひとりは片目を前髪で隠して、高いところで茶色の髪を結ったポニーテール。瞳の色は吸い込まれそうな綺麗な翠。これもまた黒のジャケットとブラウスで首元はリボンであしらっているいる。身体の線に合わせた細身のズボンにジャケットは袖無しで腕をさらけ出していた。
そんな、似て非なる2人。

「ふふっ、何を驚いているの?ここはアリスが望んだ世界。だからアリスの願いや考えがなーんでも実現する世界なんだよ♪」

スカートを翻し踊るように、あたしそっくりな女の子が嫌みったらしいくらいの笑顔でそれを語る。

「そうそう!アリスが疲れたーって思ったからその椅子だって生え始めた!それに、困ったなぁと思ったから僕らも現れた!」

少し遠慮気味にでも続けて歌うように、困り顔の男の子が語る。
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