真夜中のアリス

双子と接していると今まで反らしていた現実を気付かされる事ばかりだ。
その言葉は一瞬、あたしの呼吸を奪って思考を中断させた。確かに。それはそうなのだけれど。

「だからこそ、行かなきゃなんないの」

「わかんないのに?迷っているのに?」

「やみくもに進んで、更に迷ってもっと自分が傷ついちゃうかもしれないよ?」

確かに双子たちの言う通り、迷っている時にやみくもに動けば余計に迷ってしまって身動きが取れなくなるだろう。
迷いがなくならない限り、どこへ行こうとも何も変えることも出来ない。
けれどだからといって不変を望んで止まったままでいたら、いつまでたってもお話は進まない。
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